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ルーラ政権の十八番崩壊=所得と生活の質向上止まる=1月のCクラス転落56万人

ニッケイ新聞 2009年4月8日付け

 国際金融危機の影響が、一月にはA~Cクラスの中・高所得者減少、D、Eクラスの低所得者増加となって表れ、ルーラ政権の十八番でもあった所得と生活の質向上神話が崩れ始めたと、五日付エスタード紙や六日付フォーリャ紙が報じた。
 ジェトゥリオ・ヴァルガス財団(FGV)によれば、金融危機による正規雇用減少は〇八年十一月以降八〇万人超で、十二月まで増加傾向が続いていた六大都市のA~Cクラスが、一月には減少に転じ、逆に減少を続けていたD、Eクラスが増加に転じたというのだ。
 FGVの調査対象はサンパウロ市とリオ、ベロ・オリゾンテ、ポルト・アレグレ、サルバドール、レシッフェの六市で、〇三~〇八年に、一一・二%から一五・三%に成長したA、Bクラスは、一月に一四・九%に縮小、四三%から五三・八%に成長したCクラスは五二・六%に縮小している。
 一方、同期間中に四五・八%から三〇・九%に縮小したD、Eクラスは、三二・四%に拡大。六大都市でのCクラスからD、Eクラスへの転落は五六万三〇〇〇人、A~Cクラスからより下位のクラス移行は七六万五〇〇〇人に上るという。
 FGVでは、A、Bクラスは世帯収入が四八〇〇レアル以上、Cクラスは一一〇〇~四八〇〇レアル、Dクラスは八〇〇~一一〇〇レアル、Eクラスは八〇〇レアル未満としているが、十二月までは辛うじて続いていた所得向上が、失業や時短減給で頭打ちとなった。A、Bクラスの落ち込みは、経済成長時には不足していた経験ある技術者や管理職も解雇され始めたことの表れでもある。
 特に、金融危機の影響が強い工業、金融が集中するサンパウロ市では、一七・七%のA、Bクラスが一七・三%、五六・九%のCクラスが五五・五%に減少、Dクラスは一一・九%で不変だが、一三・六%のEクラスが一五・三%に増加している。
 FGVでは二月は一月ほど落ち込まないと見ているが、国民は銘柄品より安さ重視の買物をし始めたとの三月二十九日付エスタード紙の様に、国民、企業、政府もみな収入減で、経費削減に大鉈を振るわなければならない状態に直面している。