ニッケイ新聞 2009年4月8日付け
IBRD(世界銀行)は六日、ブラジルは最優先とすべき行政制度の簡略化やインフラ改善などの経済改革に絶好のチャンスを、財務相の交代で失ったとする報告書を発表と七日付けフォーリャ紙が報じた。
世界的に経済機構の改革機運が高まり、各国は制度改革やインフラの整備に尽力したが、ブラジルは財務相交代劇に気をとられた。そのため、改革抜きの経済成長はいずれ困難に直面すると見ている。
ルーラ政権の第一期で国際金融の支援と引き換えに公約した数々の改革は、忘れられた。世銀の見方では、財務相交代で改革を後回しにしたという。第一期の改革は「概ね満足」が、第二期で「概ね不満」に変わった。
ブラジルは〇七年、GDP(国内総生産)五%を達成したが、それは一次産品が高値で推移したためで、技術革新によるものではない。国際情勢が不利に展開する現在、従来の方法ではブラジルの経済発展は心もとない。
世銀の提言としてブラジルが中南米の指導的立場を維持するため、ワシントン協定に沿ってパロッシ構想の公社民営化や政府経費の削減、市場開放に努めるのが上策という。