ニッケイ新聞 2009年4月4日付け
いやぁー驚きました。大和撫子は、慎しみ深いとされるがー今や元気溌剌たるもので「ふんどし」をきりっと締め颯爽と街を闊歩するのだそうな。それも超がつく絶大な人気で仲間が集まって「犢鼻褌(たふさぎ)」を見せ合い斬新な柄や色彩の美を競ったりもする。京都の芸大に在学する学生が創案したらしいが、これがまた飛ぶようによく売れる▼六尺と越中のほかに里猫やもっこ褌もあるとかで締め方のパンフレットもある。それに熟年組には「白」が基本であり、水泳の赤色は特別なものであったが、目下の大流行は青、黄色、紺や赤地に風神雷神を染め上げたりとデザインが多彩なのである。白地に枝垂れ桜や牡丹の和風な絵柄に娘たちは飛びつく▼まあ、あれは通気性がよくあの突起物を柔らかく包むので昔の日本男子はみんなが締めていた。江戸の頃に大名・細川忠興(妻はガラシア夫人)が発明したとされる越中は空気の通りは抜群であり、愛用者は多い。知友の老兵は、あの戦争のときも着用しビルマ戦線ではジャングルで激闘したの話を自慢していた。それならばと、若いときに試したが、どうも「ゆるふんの気がして猿股に逆戻りする▼「くの一もっこ」の呼び方はとてもいい。クラシックパンツの横文字もあるし、「垂らす」を意味する仏語で「バンドルシューツ」という粋?なのも客足を呼ぶ。女優さんも大好き派がいるけれども、スカートのときは「少し心もとない」の悩みもあるとかでートイレも困るんじゃないのかなと野次馬もいるそうである。尚歯にはいささか異議もあろうが、ここは鷹揚に「女のタフサギ」大いに結構と参りたい。 (遯)