ブラジル国内ニュース(アーカイブ)

ルアネー法改正が本格化=叩き台への反応見て議会へ=奨励手当てや振興くじ案も

ニッケイ新聞 2009年4月3日付け

 文化活動への寄付に対する免税処置などを盛り込んだルアネー法の改正作業が本格化している。文化振興のため、政府承認済みの文化活動への寄付には一〇〇%か三〇%の免税処置を受ける事が出来る同法は、移民一〇〇周年での寄付金集めなど、日系社会にも相当の影響を及ぼしてきた。
 ところが、国際的な金融危機で、文化活動支援企業からの寄付取消が起き、文化団体などにも影響が出始めた。三月六日付エスタード紙によれば、事態を重く見た政府が、文化活動保護と振興のため、新ルアネー法の検討を始めたという。
 以下、三月十九~三十一日付のエスタード紙などを参考に変更点などを見てみると―。
 免税処置は、従来枠の他、九〇%、八〇%、七〇%、六〇%という枠を増やして継続する。ただし、免税率は政府と民間からの委員とで決定するため、民間委員選出などに政治的圧力がかかる可能性も懸念されている。また、免税対象となる団体などは五年毎に再評定を受ける必要が生じる。
 さらに目をひくのは、新たな文化関連基金創設と、文化奨励手当てや文化振興くじ創設案だ。
 文化関連基金は、既存の視聴覚基金(映画などの振興基金)以外に、書籍文学、芸術、文化財保存、文化の多様性保持と普及の分野別に設ける。これ以外の範疇の活動支援は既存の国立文化基金(FNC)が受け持つ。
 また、映画や劇などの観賞を勧めるため、食券や交通手当て同様、労働者が二割、国が三割、企業が五割を負担する形で文化奨励手当てを創設する。原案での支給額は最高五〇レアルだ。
 一方、財源確保のために、宝くじ収益の三%を文化振興に用いる他、文化振興くじの創設案も出ているようだ。
 企業は名前が売れる活動優先で寄付、寄付の半分は南東伯に集中、先住民文化やキロンボ維持など地味な活動への資金確保が困難などの批判がある従来法。一方の改正案は、支援先を選べなくなる企業が寄付を出し渋る可能性もあるという。
 新ルアネー法の叩き台は三月二十三日から四五日間サイトに掲示され、広く意見を集約した後に作成される最終草案が国会審議にかけられる。

こちらの記事もどうぞ

Back to top button