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東西南北

ニッケイ新聞 2009年3月31日付け

 生まれた時から七〇回もの骨折を繰り返したマルシオ青年が、自分も働くと言い出したのは一六歳の時。〃ガラスの骨〃とも呼ばれる難病で根治の方法も無かったため、一年は車椅子の生活も経験した彼が、パミドロナットと呼ばれるSUS提供の薬により、車椅子から解放され、自分で歩き出してからの決断だ。大学にも進んだマルシオ青年は、一九歳の今、骨折からも遠のき、大学と仕事も両立。担当医は、彼の強い意志による勝利と賞賛している。
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 欧米や日本でも人気を呼んだ、チェ・ゲバラの日記に基づいた映画二部作の第一部「チェ/二八歳の革命」が、ブラジルでも二十七日から放映されている。アルゼンチン人なのに、フィデル・カストロに共鳴してキューバ革命に参加、ボリビアで死亡という異色の経歴を持つチェだが、彼の持つ最大の特質は「人を愛する才能だった」という。
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 人を愛する事は素晴らしいが、愛する人を殺された時の悲しみや恨みは如何ほどか。サンパウロ市のイザベラちゃん殺害事件から丸一年の二十九日、教会での記念ミサには、母親のアナ・カロリーナ・オリヴェイラさんや彼女の両親、太田イーヴェス君の両親ら五〇〇人が参列。イザベラちゃんの墓地では、父親達の名前の花輪(父方の祖父が贈った物)がゴミとして捨てられた。父親らの人身保護令適用は拒絶続きで、七月までに陪審裁判実現の予定だという。
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 二十七日に「今は労働者が賃上げを求めるべき時ではない」とルーラ大統領が発言し、労組関係者らが不審顔。大統領評価と政権評価は、一月の八四%、八二・五%が三月は七六・二%、六二・〇%に低下とCNT/Sensus調査。