ニッケイ新聞 2009年3月28日付け
【既報関連】連邦警察は二十六日、盗聴記録により大手ゼネコンのカマルゴ・コレーア重役陣が政治家への違法政治献金に関与した形跡を確認と発表したことを二十七日付けエスタード紙が報じた。同社は合法的な政治献金と違法献金の二重帳簿で経理操作を行い、中と外の符牒で仲介者と接触していたことも盗聴から判明した。連警による「砂の城」作戦はルーラ大統領の関心を呼び、大統領顧問でもあるバストス前法相を同件の収拾役として送り込んだ。
「砂の城」盗聴作戦が、政治工作の構図を炙り出した。盗聴の網の目は、至るところに張り巡らされているらしい。同社首脳部と政治との夥しい動きは、連警のレーダーに映し出されていた。
PSDB(民主社会党)やPDT(民主労働党)、DEM(民主党)、PP(進歩党)、PPS(社会人民党)、PSB(社会党)、PMDB(民主運動党)は、同社の水増し請求による不正資金の享受者として、連警に尻尾を掴まれていた。
探索中のデジタル記録が発見されれば、不正資金享受の政治家リストが公表されるはず。判明している首謀者は、同社の重役四人と為替業者クルト・ピッケル容疑者。同為替業者が不正資金による政府高官買収や政治との絡み、資金の運営と隠蔽を指揮した国際的な策謀家と見られる。
政党や政治家の他に、サンパウロ州工業連盟(Fiesp)とスカッフ会長も盗聴記録に再々登場する。同社とFiespをつないだのはフェルナンド・ボテーリョ重役。スカッフ会長の右腕ルイス・エンリッケ氏が同社と議会の仲介をしていた。
各政党の州支部へ献金や寄付を行うことで、同社は地方自治体との関係を保ち、公共工事の落札を操作していた。
ルーラ大統領は、連警と検察庁による一連の捜査活動を「花火」と呼んだ。マスコミに話題を提供することで、政治の玩具にされる。大統領と法相、連警長官は連名で、捜査活動は政治と一線を画すよう命じた。捜査官の中にはテレビの画面に出たりして知名度を上げ、将来への夢に熱中している者がいるという。
大統領府はバストス前法相に、砂の城作戦が点火した火事の火消し役を依頼した。話題の焦点となっている同社も、前法相と契約を結び、解決に向けた協力をする姿勢をみせている。