ニッケイ新聞 2009年3月26日付け
百周年の会計問題に一応の目処がついたようだ(本日付けで詳報)。昨年末の記者会見では百七十七万レアルの未払い金が発表されたが、その支払いが無事済んだという。詳しい会計報告は来月に予定されている総会で発表される。監査法人への支払いや事務所の人件費を考えると五万レアルが残るのみだとか▼これで終われば、「一過性のお祭りになるのでは…」というコロニアの心配が現実のものになる。忘れてはいけないのがサンパウロ市の百二十万レアルだ。四市議が議員割り当て金を三十万ずつ百周年のために予算に組み入れたものの、現在も振り込まれていない。カサビ市長にも直談判したが、結局はたらい回しが続いており、金庫番の中矢レナット氏も「訳が分かりません」とため息をつく▼上原幸啓・百周年協会理事長から、教え子への一喝は期待できないが、この百二十万レアルは「未来への種」という意味で重要だ。中矢氏が理事長を務める免税団体(OSCIP)が「百周年基金」を管理すれば、唯一の具体的な〃遺産〃となるからだ。今後も継続的に免税措置を図れるため、企業からの支援も仰ぎやすいとか。この構想を練った渡部和夫氏は、「かつてのコチアや南銀といったパトロンになる」と夢を描く▼ともあれ、お祭りの後片付けはほぼ終わった。これからは将来のコロニアを見据えた基盤作りが大きな課題だろう。気になるのは、胸を撫で下ろすや否や中矢氏はすでに腰を浮かしかけているようだし、渡部氏も多忙を理由に「コロニアとは距離を置きたい」とか。理想が現実に結びついた時が交代の時期だ。絵に描くのは餅だけでいい。(剛)