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自閉症療育の成果報告=三枝シニアが最後の講演=21日

ニッケイ新聞 2009年3月17日付け

 サンパウロ自閉症療育学級「青空学級」(PIPA=菊地義治代表)は二十一日午前九時から正午まで、三枝たか子・JICAシニアボランティアによる「生活療法によるブラジル自閉症教育講演会」をリベルダーデの宮城県人会館(ファグンデス街152)で行なう。参加無料。援協と日伯友好病院が協力する。
 薬を使わない自閉症の治療法を研究し続け、ブラジル、米国、ウルグアイ、ニカラグアの各地で活動してきた三枝さんがJICAボランティアとして赴任して約二年。六月下旬に任期を終えて帰国するにあたり今回の講演会が企画された。
 当日は午前九時から、三枝さんによる指導のもと一年九カ月間、成長を遂げてきた生徒らが成果を発表する。二年前とは大違いで、一輪車を補助なしで乗りこなす生徒もいるという。
 九時十五分から三枝さんの講演、十時五十分からはカネシロ・ソラヤ精神科医が講演する。三枝さんのブラジル滞在中の講演は、今回が最後の機会となる。日本語・ポルトガル語の通訳つき。
 子どもたちは、日々のマラソンや訓練で小さいながら体に筋肉もつき、以前は上目遣いで落ち着かなかったが、今はしっかりと正立して堂々と顔を上にあげるようになったようだ。
 「努力すれば自分にも出来る」という自信を持ち始めている、と保護者代表の矢野高行さんは笑顔で語る。
 矢野さんは「人のために役立つ仕事の出来る大人」「出来る限りの集団自立」を目指してこれからも生活療法と生涯教育を広げていきたいとし、「講演会に足を運んでPIPAの活動を知ってほしい」と呼びかけている。