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ミング氏論説=GDP低下の意味=票集めの選挙対策は徒労に
ニッケイ新聞 2009年3月12日付け
【別記事関連】IBGE(ブラジル地理統計院)の第4四半期GDPマイナス三・六%発表は、経済危機の楽観論に止めを刺した。おおよそ予想されていたので衝撃は少ないが、政治と経済への影響は甚大といわざるを得ないとの経済学者ミング氏の論説を十一日エスタード紙が掲載した。
ミング氏によれば、ルーラ政権の国際的な経済危機による影響認識は、一カ月以上遅れて始まり、経済刺激対策の効果も思うように出て来ていない。
ルーラ大統領が二〇一〇年の大統領選に向けて打ち出した庶民住宅ローンや十五レアルの簡易住宅、その他数々の景気対策は、国家経済を刺激するには時間がかかり、政府の経済スタッフは徹夜で経済政策の年内効果を分析しているところだ。
GDPマイナス成長発表で、中央銀行の通貨政策に対する先鋭的で辛らつな圧力はいやでも増す。しかし、これまでの中銀の対応は、緩慢な段階的対策で、即時措置はない。
GDP低下がもたらす雇用や給料への影響で、労働者は二〇〇九年、長期にわたって給与目減りを余儀なくされ、政治への抗議も日増しに過激化する。これに野党が、経済の悪化と失業の蔓延を指摘する。
上院で十日、野党が「ブラジルの不況」を経済政策の失政として挙げた。政府は大統領選と不況対策で、二足のわらじをはき、迷走する。次に税収減によって、PAC(経済活性化計画)の公共事業が疎遠になると指摘した。
Brics比較はデータがないため不可能だが、エコノミスト誌はBricsにおける〇九年GDP予測を、ブラジルはマイナス〇・六%、ロシアがマイナス二%、中国が六%、インドが五%の成長としている。GDPの上昇は全ての病を癒し、低下は数々の病を呼ぶという。