ニッケイ新聞 2009年3月6日付け
かつて大統領の座を追われたコーロル上議(PTB=ブラジル労働党)が四日、PMDB(民主運動党)とDEM(民主党)の支援により与党候補のイデリ・サウバッチ上議(PT=労働者党)を破り、政府のPAC(経済活性化計画)を監視する上院基盤整備委員長に選ばれたと五日付けエスタード紙が報じた。
表決は賛成十三票に対し、反対一〇表の接戦となった。注目されたのは政局を欲しいままにしてきた連立与党の地盤が割れ、PMDBの力を再認識、政府与党PTが弱体化したこと。またPT候補を支援したPSDB(民主社会党)は、ミソをつけたようだ。
モンテイロ憲政相(PTB)が同党のコーロル上議を支援したことで、サウバッチ上議は大統領府の支援取り付けに失敗。大統領からコーロル上議が候補を断念するよう圧力をかける計画が、不発に終わったから。
また上院PMDBのカリェイロ軍団が、反サウバッチへ回ったのも不幸であった。〇七年に議席はく奪を逃れるため上院議長を辞任したカリェイロ上議は、サウバッチ上議に恨みがある。カリェイロ上議の豹変を非難したメルカダンテ上議(PT)を、同上議が罵倒する場面もあった。
PSDB党首のゲーラ上議が二期休会したことで「もう休暇を取らないで上院の活動に専念」と宣言し、コーロル監視を示唆した。コーロル上議は心証を害して声を荒げ、「私は貴下の皮肉を聞くまでに、貴下よりも遥かに多くの経験を積んできた」と一蹴した。
メルカダンテ上議が「PTとPMDBの連立関係は内縁関係であったのか」と発言したことで、記者団は「紫色の一物」発言で北東伯魂を任じるコーロル上議に〃内縁関係〃について質問した。「サウバッチ女史は良い人だけど、中にゴミがある(北東伯では大同の意味)」と答えた。
コーロル上議は往年の参謀カリェイロ上議と同盟を結んでおり、同上議自身も成長したことで今後株が上がりそうだと政界筋は見ている。