ニッケイ新聞 2009年3月3日付け
FGV(ジェットゥリオ・ヴァルガス財団)は二月二十八日、シカゴ穀物市場におけるコモディティ相場の低迷が国内の消費者市場に影響を及ぼし、政策金利の引き下げにも拍車がかかりそうだと発表したことを三月二日付けフォーリャ紙が報じた。
大豆相場の下落で、食用油が値下がりする。食物価格が高騰していた〇八年七月の農産物価格は十二カ月間にIGP―M(総合物価指数)で四〇・二五%上がった。それが今年二月までの同指数は同じ十二カ月間で三・一七%の上昇。食物価格が現状のまま維持されれば、今年のインフレは四%以下に留まる見込みと同財団が発表した。
コモディティ相場の低迷は、食糧メジャーが資金調達難で在庫ができないためらしい。大豆は昨年七月、ブッシェル(二十七・二キロ)当たり十六・六ドルしたのが現在、四八%下がり八・七ドルとなった。
Fipe(経済調査院)のエロン・カルモン氏によれば、経済の低迷に従い物価は下がり、食品価格もその動きに従うという。しかし、ドル高であるからデフレにはならない。従って生産者はコモディティが下落したほど、手取り額が減ることはない。
国際間を動く食品の価格は今年、大きく動く。国際需要は減退し、金回りが悪いからだ。農業資材は最近、値下がり傾向にある。この影響は近日、消費者の懐にも感じる。大豆油と豚肉、パン、米などがそれ。
最近まで国際相場で、高値を保ったのは食肉。それが牧牛の調整期間を経れば、出荷期に入るので値下がりする。豚肉は既に一一%の値下がり、鶏肉は金融危機後、六%値下がりした。
青果市場は降り続く長雨で播き付けや植付けに支障をきたしたが、値上がりは過去三十日で二・五八%。前期の四・四六%に比べたら、上昇率は微々たるもの。
大量の雨と高湿度で病気の被害が出て、夏場の需要の高まりと供給量の減少が重なったヴァージェンやシュシュが、二月後半に三〇%近く値上がりしたのは例外だ。