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Codefat=失業保険の支給期間拡大=3カ月から7カ月へ=危機の影響甚大な分野に=1部への優遇給付に批判

ニッケイ新聞 2009年2月13日付け

 労働者支援基金(FAT)の審議評議会(Codefat)は十一日、金融危機の影響が顕著な工業分野で〇八年十二月以後に解雇された労働者へ、失業保険を七カ月間支給することを承認と十二日付けエスタード紙が報じた。失業保険の支給期間は従来、三カ月から五カ月であった。ルッピ労働相は経済混乱が悪化するようであれば、十カ月にまで延長する暫定令を発令する意向だと表明した。同評議会は中古車販売のローンにも、FATから二億レアルを供出する意向を表明した。

 失業保険の期間拡大は、全ての失業者に適用されるのではない。労働省は、雇用解雇報告書(Caged)をベースに適用対象を分類する。労相の見方では、金融危機の影響が顕著なのは、鉄鋼や鉄鉱石採掘、果物輸出などとしている。
 〇八年十二月以後に解雇された労働者は、従前の失業保険が切れる四月から最低三カ月分が支給されると同評議会が発表した。失業保険の支給額は、四百六十五レアルから八百七十レアルまで。過去三年勤務した企業の在職期間を、三年上限で比例算出にする。
 法令によれば、FATは十一億レアルを政府拠出の上限としている。今後の失業者数は分からないが、これだけで対象の全失業者に支給できると同評議会は見ている。
 経済混乱が悪化すれば失業保険の十カ月拡大を考えているが、暫定令の発令と労働法の改定も視野にあると労相がいう。労相は三月好転に賭けており、十カ月拡大は不要と見ている。
 既に好転の兆しが見える建設やサービスなどの業界もある。農業は、南部諸州と南マット・グロッソ州、マット・グロッソ州、ゴイアス州で収穫が始まっている。
 労働省が失業保険の拡大を一部分野に限定したことで、「失業者は工業、商業であろうと、同じ経済混乱の犠牲者だ。それが何故工業の一部労働者だけが、職探しで七カ月も十カ月も特別に保護されるのか」との不満の声が上がっている。
 CodefatはFAT資金で中古車市場へ二億レアルを月利一・五五%で貸し付けることを承認した。中古車が売れれば、新車の下取りも円滑になる。全国にある四万二千の中古車代理店に活気が蘇る。失業者も中古車を購入して、独立自営に励む。