ニッケイ新聞 2009年2月11日付け
早稲田大学人間科学部の吉村正教授が九日に来社し、同大学が昨年十月に正式発足させた「移民・エスニック文化研究所」について説明した。サンパウロ市のブラジル日本移民史料館の史料デジタル化計画を支援していく準備を進めていることを説明した。
一昨年、創立百二十五周年を迎えた早稲田大学の創立者は大隈重信。彼は戦前に日本移民協会の初代会頭を務めるなど、移民と強いつながりがある。
そこで、同大学はブラジル移民百周年を記念して昨年、「移民エスニック文化研究所」を発足させた。代表者は森本豊富教授で、約十二人の専門家が参加している。ここを中心に、米国ハワイの日本移民と共に、ブラジルと日本の移民の歴史と現在の問題点について研究していくという。
昨年、文部科学省に四千八百万円の資金要請をした。それをもとにサンパウロ市の移民史料館のデジタル化を支援していく計画になっており、十日には栗原猛史料館運営委員長とも打ち合わせをした。
吉村教授は「すでに三回の研究会をやっています。ブラジル移民の資料復元やデジタル化に関し、早稲田もお手伝いします」とのべ、文科省の支援が決まり次第、企業などにも協力を呼びかけていくとの意気込みを語った。