ニッケイ新聞 2009年2月11日付け
厚生労働省の調査によれば、三月までの半年間に約五千六百人の外国人労働者が失職する見通しだという。おそらく、そこには多くのブラジル人が含まれているはずだ。
デカセギやその家族の苦境を伝えるニュースが毎日のように日本で報じられている。個々のケースだけを見ると〃大混乱〃が起きているような印象さえ受ける。親族がいる人にとっては他人事でないだろうが、誰も全体像を把握できないのが実状ではないか。
そんな中で、思いもよらない新たな現実も生まれている。想像を超える地域社会の支援の手、また、かつては考えられなかった農業、介護といった分野へ向かう人たちも出始めた。
状況は日々変わり、全てが手探りで動いているように見える。コロニアがどう対応するにせよ、まず必要なのは両国関係者が正しい情報を共有することだろう。 (ま)