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学校給食でカルテル暴露=3人に1本のサルシッシャ?=サンパウロ州検察庁が14市で摘発

ニッケイ新聞 2009年2月6日付け

 一本のサルシッシャを子供三人に分けるなどして不正に分量をごまかしての着服や、違法なカルテルを結んでいた疑いがサンパウロ市を含めた一四市の市立校の外注給食業者にもたれており、捜査中と五日付伯字紙が報じた。
 同日付エスタード紙によると、州検察庁が捜査している業者は少なくとも一〇社。業者間の協定で新たな業者の市場参入を妨げたり、入札価格の事前調整を行ったりしていたというもので、提出された三通の供述書と一本の録音テープから、市職員の関与についても捜査が進められている。
 具体的な報告もあるサンパウロ市の場合、市職員の関与には、賄賂を贈って便宜を図らせるものと役職提供の二種類がある。
 現在捜査線上に名前が挙がっているサンパウロ市職員は五人おり、その一人は、現在サンパウロ市保健局長で給食部門前局長のジャヌアーリオ・モントーネ氏。本人は容疑を否定しているが、経済調査院(Fipe)の給食外注に関する報告書提出後の〇八年八月二十八日、同氏から調査責任者宛てに「修正を要するミスがある」と、データ改ざんを指示するメールが送られている。
 メールを受取ったサンパウロ総合大学教授のバジーリア・マリア・バチスタ・アギーレ氏は、指示に従わなかったため、その後の調査費の支払いは止められたという。
 また、外注業者の多くは水増し請求などの嫌疑もかかっているという事実は、〇一~〇七年のサンパウロ市の場合、外注は市役所が運営していた時の三・七倍高くついているとのFipe報告書などにも表れている。
 市が運営していた時にも指摘された食材管理や厨房施設の問題は、外注になってからも改善されていない。一人当りの分量や栄養バランスが保たれていない、指定された食材以外の物を混入、使用食材を少なく済ませた功労者にはボーナス支給など、給食の量質と共に現場の運営にも問題があるとの指摘は学校給食審議会からも出ている。
 サンパウロ市としては、外注業者との契約を打ち切り、市が運営する形に戻すことが望ましいと一連の問題を担当する検事はいうが、外注率を八〇%にまで引き上げてきた今のカサビ政権に、経費削減と不正根絶への大鉈を振るう勇気があるだろうか。