ニッケイ新聞 2009年2月6日付け
ブラジル東京都友会(坂和三郎会長)は一月三十一日正午、リベルダーデ区のホテルで毎年恒例の新年会を開催し、五十人余りが新年を共に祝おうと駆けつけた。
「一年の計は元旦にあり。どのように新しい百年に向かい、歩んでゆくのか、目標を持って頑張りましょう」。はつらつとした坂和会長のあいさつと大きな拍手で幕が開いた。
藤間流日本舞踊学校(藤間芳之丞校長)の名取りによって、新春らしい長唄「春の寿」の舞などが披露され場が和むと、多羅間俊彦名誉会長は「不景気だが、何も心配していない。戦争で焼け野原になり何も残らなかった東京は見事に復興した」と話し、威勢良く乾杯。
参加者らは笑顔で、日本酒を片手に新年のあいさつを交わし、互いの活躍を願い合った。
食事を囲んで団欒のときを過ごし、音楽が流れ出すと、舞台はカラオケステージへと早変わり。自慢の歌声を披露しながら、合間に抽選会が行われて、会場は和気藹々とした雰囲気。
さっそうとした姿で舞台に上がり、「―人生到るところに青山あり」と、力強く漢詩を吟じた坂和会長。一九五五年、大学卒業後すぐに渡伯した坂和会長は、大学の送別会でこの詩を吟じた。「学若し成る無くんば復た還らず」と仲間に宣言した当時を思い出すように、目をつぶり迫力せまる声に、会場は静まりかえって聞き入った。
また新年会の中で、右近昭夫理事から、二〇〇八年事業報告と〇九年事業計画が報告された。七月の日本祭り出展や慰安旅行の検討が話された。坂和会長は、「金融危機で不況の中迎えた二〇〇九年だが、江戸っ子根性で立ち向かってゆきたい」と話していた。