ニッケイ新聞 2009年2月3日付け
今回のデカセギによる大規模デモに違和感を受けている人が、コロニアにはいる。黒人奴隷の代わりの農作業をさせられた戦前移民にしても、ドミニカ移民に象徴されるような約束と違った入植条件だったことを恨む戦後移住者にしても、「自分を送り出した日本政府には一言言いたくても、受け入れてくれた国に向けたデモなぞ考えたこともない」という人が多い。ブラジル政府には言わないけど、日本政府には求めるデカセギ心理はどこからくるのか。いずれブラジル大使館前でも大規模なのをやるの?
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開始から一年が過ぎた群馬県人会の日本語、太鼓、空手の各教室。まだあまり知られてはいないが、週に一度の太鼓、空手の生徒はそれぞれ二十五人、十五人に増加。平日行なっている日本語教室には現在、三十五人が通っているそうだ。副会長の一人が総会で、「奥地の人も気軽に寄れる、気持ちの良い、明るい会でないと」と話していたが、こうした日頃からの取組みも会活性化の一助になるはず。
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ブラジル初の立体映像映画館Sala Unibanco IMAXが、サンパウロ市ポンペイア区のショッピング・ブルボン・ポンペイア(Rua Turiassu, 2100-3o Piso)内の三階にこの一月に開館した。現在上映中なのは「海の底」(Fundo do Mar)という、海底の生き物たちの生態を描いた作品。蛸から飛び跳ねて逃げる貝、小魚を襲うイカ、ウツボに立ち向かうロブスターなどが立体画像の大画面(高さ十四メートル、幅二十一メートル)に映し出されると、ほとんどSF特撮映画の世界。あまりの迫力に子供が耐え切れなくなり、途中で出てしまう家族も。入場料は金曜から水曜が大人三十レアル、メイア(子供か六十歳以上の高齢者)十五レアル。木曜は二十、十レアルになる。メトロ・バラ・フンダ駅から歩いて二十分ぐらい。