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不動産市場活性化=政府が簡易住宅売買に=景気回復と雇用創出=住宅転売で一石二鳥狙う=3分の1払えばタダ?

ニッケイ新聞 2009年1月31日付け

 不動産市場を活性化するため政府は二十九日、連邦貯蓄銀行(カイシャ・エコノミカ)を通じ簡易住宅の売買と融資を入札方式で行う計画を立案中であると三十日付けフォーリャ紙が報じた。融資は世帯所得千二百レアルから二千二百レアルを対象とし、二〇一〇年までに百万戸を売買する暫定令を二月、公布する予定。物件の広さは、四十平方米や六十平方米など最低税率で可能な範囲とする。
 政府は建設業者から入札方式で簡易住宅を買上げ、希望者へ販売と融資斡旋を行うというもの。大中小の建設業者は、銀行の融資を受けて、簡易住宅を建築する。その融資を住宅購入者は、カイシャ・エコノミカを通じた融資へ肩代わりをすることになる。
 政府の計画では、二〇〇九年十二月までに五十万戸。残り五十万戸を二〇一〇年十二月までに完成。様式は「フェイジョン・アロイス(必要最低限)」タイプとする。低所得者で、従来の低利融資の恩恵にも浴せなかった人々を対象とする。
 従来の融資制度では、低利融資対象は月間所得千二百レアル以下となっている。それを、二千二百レアル以下に改定する計画が進んでいる。二千二百レアルの所得を有する宅地所有者は、低利融資で独自の住宅建設をできるようにする。
 建設業者が提示した住宅価格は平均、融資総額の五〇%。一〇%が宅地代、四〇%が建材と建築費、税金、手数料、保険、スプレッド金利(業者が銀行に払う金利で、銀行の資金調達金利と上乗せ金利の合計)など。
 五十歳以上の住宅購入者が支払い途中でなくなった場合、存命中に支払った住宅ローンの返済額が融資総額の三分の一を超えていたら、一種の生命保険のような考え方で、住宅が家族のものになるような調整ができるかどうか、検討するようにとルーラ大統領は指示した。
 これが実現すれば、遺族は融資残額の支払を免除され、住宅は無料で入手できる。ローンの三分の一を払って死ねば、残りはタダになり、遺族は家賃から解放される。宿六は、我が家を遺す。
 政府は州や市から宅地の無料提供を受けるため、共同で安価な住宅購入を行う計画。問題は住宅購入方式を全国均一とするのに、州条例や市条例が各州で異なるので条例改正の必要がある。
 超低価格住宅プランは、建設業者も銀行と提携して進めていた。政府の計画はそれに並行しており、民間業者を監視しながら、超簡易住宅の建設販売に精進する。