ニッケイ新聞 2009年1月31日付け
先日、取材でパラナ州ロンドリーナへ。鳥居、すずらん灯が存在感を放つ「中川トミ広場」が堂々と出迎えてくれた。ここは日本人の街と言わんばかりだ。
夜は、赤いすずらん灯がオレンジ色の光を放ち、ベンチに腰掛けたカップルが寄り添う姿や、公園を歩く人の姿。 同州の百周年記念事業で唯一、六月までに完成し、そこで行われた開所式には皇太子殿下も列席するなど、大役を果たしただけでなく、すっかり市民の憩の場として定着しているようだ。
きっと、百周年を前に、二〇〇六年十月に百歳で亡くなった最後の笠戸丸移民、中川トミさんも微笑んでいるに違いない。
百年後には、セーの「ジョン・メンデス広場」やオウロ・プレットの「チラデンテス広場」のように、地元の歴史の一部として溶け込み、かけがえのない場所となっているだろう。(親)