ニッケイ新聞 2009年1月23日付け
セーラサンパウロ州知事が大統領選へ向けて着々と布石をうち始めたことで、ミナス・ジェライス州のネーベス知事は二十一日、直ちに行動を開始したと二十二日付けエスタード紙が報じた。同知事は、二〇一〇年大統領選へのPSDB(民主社会党)党公認候補を決める党大会の即時開催を党執行部へ要請した。
アウキミン前知事がサンパウロ州政府の長官に納まったことで、サンパウロ州勢によるネーベス知事の封じ込めによる党大会指名からの脱落を避ける考えだ。それだけセーラ知事の布石は、痛かったようだ。
勝負は決まったわけではない。党大会で堂々と戦い、新しい空気を党へ注入しながら指名される必要がある。
ネーベス陣営の参謀ロドリゲス下議は、PSDB長老の密室会議決議を受理しないと声明を発表した。〇六年の大統領選では、最終的に公認候補をPSDBサンパウロ州支部の幹部で決めたからだ。
ネーベス知事は二十一日、PSDB党首のゲーラ上議と昼食をとり、大統領選に向けて全国遊説に全てを賭ける意向であることを伝えた。同党主は党内にしこりのあることを認め、同知事に寛容であることを求めた。
党公認を決める党大会即時開催は、PSDBの伝統にないので党幹部も疑問視すると党首は見ている。セーラのアウキミン抱き込みはミナス勢に不快感を与えたが、サンパウロ州の内輪話であって全国大会と切り離してくれという党首の願いだ。
PSDBミナス州支部は早くから結束しているのに、サンパウロ州は今結束したのだとカストロ党総務がいう。同総務は二月末までに、公認指名党大会の骨組みを作る考えだ。
セーラ知事がサンパウロ市長選挙でカサビ候補を支持し、党内に隙間風を呼んだ。今度はアウキミン長官を抱きこんだセーラ寝業師的政治手法は、党内でも定評がある。大統領選では次にどんな手を打つか警戒されている。候補が何人いても、米国式に正々堂々と戦えばよいというのが下馬評だが。