ニッケイ新聞 2009年1月21日付け
アウキミン前サンパウロ州知事(PSDB=民主社会党)は十九日、セーラサンパウロ州政府(PSDB)の産業開発局長官に就任と二十日付けエスタード紙が報じた。アウベルト・ゴウドマン副知事の後釜。
前知事の党内における境遇は、微妙であった。サンパウロ市長選に敗れた後、離党さえ考えたようだ。前知事がセーラ陣営のブレーンに納まったことで、サンパウロ州PSDBはようやくまとまった。
二〇一〇年の大統領選では、同じく大統領選に意欲を燃やす盟友ミナス州のネーベス知事から離れ、前知事はセーラ知事支援を余儀なくされた。
セーラ知事が大統領選に立候補したら、後任知事に前知事かフェレイラ州官房長官かの噂が上がっている。選挙は一年先であるが、前知事は地方部にネット・ワークを持っており、その実力は一目置かれている。
サンパウロ州では党内でライバル同士のセーラ現知事とアウキミン前知事が、同じ鞘に治まった。期待通りに前知事が金融危機で混乱する州経済に実力を見せれば、セーラ知事は願ったり叶ったりで、前知事の返り咲きに手を貸すと予想される。
しかし、サンパウロ市長選で前知事を支援してくれたネーベス知事に、合わせる顔がない。サンパウロ州PSDBからネーベス知事は、はじき出されたのか。
ネーベス知事は、アウキミン前知事の長官就任を公人として宮使えの宿命だと結んだ。サンパウロ州は人材が豊富で、協力者に事欠かないので有利だとミナス知事は述懐した。
PSDBの〟枢機卿〝カルドーゾ前大統領は、セーラ・アウキミンの両人がヨリを戻したことを祝った。サンパウロ州がまとまったことで、ネーベス知事も情勢の変化を納得するものと前大統領が踏んだ。