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農業通してブラジルに触れる=北海道から高校生5人=大規模農業を体で実感

ニッケイ新聞 2009年1月21日付け

 二〇〇八年度北海道農業高校生ブラジル交流事業の第十七回実習団六人(鶴巻純一団長)が、十日から十八日までブラジル農業研修を行った。
 一行は到着後、十一日に北海道協会の新年会に出席し、ポンペイア西村農場に四日間滞在。十六日、帰国を前に本紙を訪れ、研修の感想を語った。
 生徒代表の橋本和明さん(18)は「グローバルな視野が持て、ブラジルの人々の素晴らしい人間性に触れ、大規模農業の素晴らしさを感じました」と振り返った。
 酪農、乳牛を専攻する押切美華さん(18)は「農地が北海道にないスケールのある農業には、驚きました」と日本との違いを強調した。
 畑作を専攻しているという斎藤将平さん(16)は「このような規模の農業をハウス栽培に取り入れたいです」と帰国後に向けた意気込みを表す。
 半田康朗さん(17)は「サッカーをやっているので、サッカー王国の生の迫力に触れることが出来ました」と、農業以外でも新しい発見があった様子。
 原谷大地さん(17)は「バイオテクノロジー、バイオエタノールについてますます興味が沸きました」と充実した様子がうかがえた。
 団長の鶴巻教師は、「南米移住の開拓精神を学び、未来への掛け橋を築いていけたらいいと思います。戦前からの日本人移民が様々な苦労を体験され、現在の輝かしい日系社会があることを生徒の一人一人が認識したことは、今回の実習において非常に有意義でした」と今回の実習を感慨深く振り返った。
 同交流事業は今年を最後に終了することが検討されているという。北海道協会の木下利雄会長は「今後も事業を続けてほしい」と継続へ期待を表した。