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教会の屋根崩壊で死傷者=礼拝入替え時で大惨事回避=サンパウロ市カンブシのレナセール

ニッケイ新聞 2009年1月20日付け

 二〇〇五年のサッカー選手カカーの結婚式でも知られるサンパウロ市カンブシのレナセール・エン・クリスト教会で、十八日十八時五〇分頃、会堂の屋根が突然崩壊し、九人死亡、九〇人余りが負傷という事故が起きた。
 十九日付伯字紙によると、現場はレナセール教会の世界本部で座席数一八〇〇の会堂だが、規模の割に死傷者が少なかったのは、十七時からの礼拝終了後で、十九時からの礼拝参加者との入替え時間帯だったため。
 現場にはセーラサンパウロ州知事やカサビサンパウロ市長も駆けつけたが、現場立入りは危険と説明された直後、わずか数センチの所にエアコンの機材が落ちて来るという現実に直面したセーラ知事は、現場立入りを断念。消防隊員らの労を労った後、カサビ市長と共に負傷者が収容された病院へと向かった。
 信者達によると、屋根の崩壊はあっという間で、出口近くにいて難を逃れた信者や子供グループの他、新設された非常口から逃げ出した信者達もいたが、会堂中央に居た信者は被害が大きく、十九日朝までに九人が死亡。重体を含めた負傷者は九三人~九六人で、行方不明の信者の所在確認作業も継続中。壁倒壊の危険に伴い、隣接の八つの家屋が封鎖された。
 事故の原因解明は、十九日からの現場検証を待つことになるが、同教会は一九九〇年にも屋根の問題で使用を停止されたことがあり、二〇〇六年の火災で一部が脆くなっていた可能性もある。
 教団側は、建築上の書類は万全で管理上の不備もないというが、三カ月前に改修工事をしたとの信者の証言に対し、三カ月前は塗装し直しただけと発表するなど発言が食い違う他、天井の雨漏りの痕など、管理不備が疑われそうな証言もある。
 元映画館利用の大規模教会はレナセール教会以外にもあるが、市条例通りの保守点検厳守の必要など、老朽化の進む建造物利用団体への警鐘となりそうな事故といえる。
 同様の事故には、サンパウロ州オザスコ市で一九九八年九月に起きたユニバーサル教会の屋根崩壊事故があるが、築五〇年以上の会堂で集会中に起きた事故では、二五人が死亡、四〇〇人以上が負傷するという惨事となった。