ニッケイ新聞 2009年1月14日付け
「ブラジルはリセッションにあり、米国は気力喪失症にある」とFGV(ジェットゥリオ・ヴァルガス財団)のナカノ・ヨシアキ教授が十二日、Laporde開発会議で講演をしたと十三日付けジアリオ・デ・コメルシオ紙が報じた。
金融危機の後遺症はすでに世界各国へ伝染し、収拾策を考え直す段階にあることで会議が開催された。金融危機によって資本主義理論はどこかへ姿を消し、多国籍企業はどこも赤字決算を計上、ただ生残りに必死の状態と同教授がいう。
こんな状態が、ブラジルに上陸するのも遠くないと同教授は警告した。中央銀行は早くこの状況を認識し、適切な対策を打ち出すべきだ。しかし、中銀の行っていることはまるで反対。ブラジルの財政状態が狂ってから通貨政策の修正を行うらしいと皮肉った。
先進国では政策金利の二五%切り下げを行っているのに、ブラジルは〇・二五%の切り下げで長時間議論をしている。ブラジルは誰のために、ピンチをチャンスに切り替えるのか。ネオリベラルのヘゲモニーは、ブラジルの経済成長を妨げると警鐘を鳴らした。