ニッケイ新聞 2009年1月13日付け
国際的な金融危機で販売低下や在庫急増に見舞われた産業界で、三二・五%の企業が二月までに人員削減の意向と十一日付エスタード紙が報道。
十二月のジェツリオ・ヴァルガス財団による調査結果で、三五・七%の企業が新規採用を考えているとの半年前の回答が大逆転。九月に人員削減の意向と答えた企業は一〇%以下であったこと、過去一五年では人員削減を考える企業は平均一九・五%であったことも考えると、金融危機の衝撃の大きさがわかる。
十二~二月に人員削減の意向と答えた企業が六八・三%と最も多いのは機械製造部門。砂糖アルコール業界などの不振を受けた農業用機械や、建築機械製造などだ。
自動車業界などの輸送機材製造部門では、人員削減の意向表明企業は六二・九%。十二月二十三日のガゼッタ紙が、南リオ・グランデ州のGM社グラバタイー工場での十一月と十二月の稼動日数は一日と五日と報じるなど、四輪、二輪製造業界や部品業界の集団休暇や解雇、休職のニュースは、十月から継続中。
その他、プラスチック業界三九・四%、製鉄業界と紙セルロース業界三五・八%と続くが、アマゾナス州マナウス市のゾナ・フランカでは、電化製品とバイク関連業者の十~十二月の解雇者が五万六〇〇〇人など、解雇や休職の動きは全国に広がっている。
生産調整や在庫削減と共に、第1四半期の景気回復の度合いを図る意味で集団休暇が繰返し延長されてきた部分については、先行きが依然不透明で、休暇終了後の解雇や給与調整も予測される。
また、産業界での人員整理や減産は、他の業界への影響の大きく、労働者の平均所得や失業率にも当然響いてくる。
十二月末の雇用者台帳登録者数は未発表だが、〇八年末の登録者は、〇七年末の三一万九四〇〇人減や〇四年末の三五万二一〇〇人減を上回り、約六〇万人減との予想を十二日エスタード紙が報道。集団休暇中の労働者も一五万人を超え、新しく打ち出された建築業界支援策など、官民が協力しての経済活性化対策が効を奏するまで、暫くは忍従の時が続きそうだ。