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汚職監査員を倍増=全伯でオンブスマン活躍

ニッケイ新聞 2009年1月6日付け

 NGO(非政府団体)のヴォット・コンシエンテ(良心的誓)と親睦団体アマリボは四日、汚職取締りオンブスマン(行政監査専門員)として五年前四十都市で始まった活動を現在、二倍の八十七都市に展開中と発表したことを五日付けエスタード紙が報じた。
 活動は以前、州都に集中していた。現在はボランティアを養成し、警察やマスコミ、検察局の協力を得て、地方都市の市庁や市議会へ範囲を広げ、市長や市議の議席はく奪にも至っている。
 配置人員ではサンパウロ州が二十四人で最大だが、メンバーは全伯各地で活躍。これまでに千五百五十一都市の監査を行った。地方都市は、まだ無法地帯が多く恫喝や威圧がある。そのため、ボランティアが命からがら逃げ帰ることもある。
 殺人未遂や殺人示唆は、日常茶飯事。オンブスマンは、脅迫に対し腹が据わるまで時間を要する。薄謝に甘んじて偉大な使命に挑戦するが、挫折する者もいる。活動を始めて、中断した都市も少なくない。
 市長交代で、オンブスマンの来訪を歓迎する都市も多い。有能な市長は、自治体の行政機構に透明性を望んでいる。ジュンジアイ市は、市議らが市議会と市庁の大掃除を要請した。アグアス・ダ・プラッタ市は、定年退職者の婦人団体が模範都市設立のため勤労奉仕を申し出た。
 アマリボは今年度の計画として、汚職撲滅作戦を考案中。そのため関係研究所の協力で自治体の汚職撲滅教本を作成し、書店やインターネットで公開した。ボランティアは努めて市議会を傍聴し、能率的な審議を求めることに専念している。ボランティアが出席するだけで、市議会の雰囲気が変わるという。
 ヴォット・コンシエンテは、さらなる支部設置を計画。汚職撲滅運動では、これまでの経験でノウハウがある。ヴォット・コンシエンテの問い合わせ書には権威があり、回答の提出と公表が行われる。全伯市議会の機能ランクも行う。