ニッケイ新聞 2009年1月6日付け
丑年を迎えおめでとうございます。越年資金が余り多くもないので小旅行も楽しめず年の酒を傾けての寝正月となりました。本来なら魏の名医・華陀の処方という屠蘇散をちびりちびりと参りたかったのですが、延命の効果が高いとされる山椒や防風などを調合したものがなく、灘の生一本での一盞となったのは慙愧に堪えません▼それでも若湯に入り雑煮を楽しみました。京の都では、白味噌で仕上げるそうですけれども,東京は清し汁が多いのです。日本では「初詣」もありまして今年は9800万人の人出があり、東京の明治神宮には300万人超が参詣するのだから凄いの一語です。成田山新勝寺、川崎大師も290万人なのであり列島の人々は元朝参りが大好きなのであります▼これに年始もあるし、正月の3ヵ日はそれなりに忙しい。サンパウロでも元旦に新年会が開かれ500人ほどが集まり、新しき年も繁栄をとー祝杯を高々にあげました。ですがー国際的な金融危機と不況は厳しく、先進諸国の成長率がマイナスの予測もあります。アメリカのビッグ3も危ないし、あのトヨタも初の赤字なのです▼等等のうちにーきょう5日が「仕事始め」です。新年は移民200年への第一歩を踏み出すときであり指導者らには、強くも逞しい理念が大切かと存じます。日系社会の進むべき道とそのためには何をなすべきかの哲理がとても重要なのではないかと考えています。ただー雛壇に居座る綺羅星のような幹部ではなく、真のリーダーが欲しいのです。読者の皆さん新しい年もよろしく。 (遯)