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国家治安審議会=隠滅された機密文書=軍事クーデター真相は藪の中

ニッケイ新聞 2008年12月30日付け

 政府は二十八日、官房室文書課へ引き渡した国家治安審議会(CSN)の保管書類、軍政時代の陸軍最高司令部作成による機密書類のうち三十九枚が隠滅されていたとする議事録を発表したことを二十九日付けフォーリャ紙が報じた。
 隠滅が行われた機密書類は、一九六九年から一九七二年の間のもの。一九三七年に設立されたCSNは、軍政の一九六九年に大統領直属機関へ編入され、公安政策の方策と執行機関となった。
 CSNは一九八〇年、廃止されるまで、国民の自由を束縛する数々の軍政令に携わった。隠滅書類は、一九六四年のクーデター前に作成された。そのうち五枚は超極秘事項に属した。
 現行令によれば、三十年で機密解除になる。極秘書類は、ジャニオ・クアドロス元大統領時代の一九六一年の五月から七月に作成。そして同八月、ジャニオ・クアドロス元大統領は辞任した。
 極秘書類は、陸軍最高司令部が作成したジャニオ・クアドロス政権の転覆指導と指令要綱だ。クーデターの作戦要綱は、威嚇行為と警戒体制、緊急連絡網の設置、非常移動戦略からなっていた。
 書類の捺印は消却され署名者名は分からないが、当時の責任者はジョゼ・M・ベーラス大佐で四年前死亡。同大佐の上官は、ジャイメ・ポルテーラ将軍であった。
 機密書類の隠滅に関わった二人の証人がいる。現在予備役大佐で当時CSNの文書課長ロナウド・S・カルネイロ大尉と副官のグスターヴォ・M・フェルナンデス大尉の二人が在職中、消却はエスプラナーダ宮の一室で行った。
 機密書類の隠滅は日常業務として執行したので、表沙汰になるなら証人として発表もやぶさかでないと二人は述べた。全ては相互信頼の上で行われたことだという。

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