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信用リスク=優良企業12%格下げ=Serasaが注意勧告
ニッケイ新聞 2008年12月27日付け
銀行業務サービスのSerasaは二十四日、貸し倒れの可能性を評価する信用リスク格付けが年末、金融危機のため過去最悪の水準だと発表したことを二十五日付けエスタード紙が報じた。
年商八億レアル以上の企業二百七十六社の信用リスクは、四・五ポイントから五・二ポイントへ上昇。内容はサービス業が六・二三ポイント。商業が五・五七ポイント。工業が五・〇八ポイント。鉱業が一・三〇ポイントとなっている。
これまで優良評価をされた二百三十一社のうち三十四社が格下げされ、百九十七社に減った。中等評価の四十四社は、七十五社へ増えた。不渡り発行前夜は一社であったのが、四社に増えた。
大手二百七十六社の内訳は、工業が百三十六。サービス業が七十八。商業が五十五。鉱業が七。
Serasaは、リスク評価が一時的なもので、企業そのものの評価ではないと断っている。これだけで企業評価を決めると、国家経済にも影響を及ぼすと警告。
リスク・レイトは、〇九年不況を切り抜ける力を提示している。全体の三分の二が、危機の上陸を迎えながらも僅かなリスクで持ち堪えているのは、不幸中の幸だとSerasaは見ている。
年商の五三%を占める工業は、殆ど輸出企業なので、まともにフックを受けたようだ。折角ドル高のチャンスを迎えながら、ブラジル製品の消費市場は拒絶反応を起こしている。
また多くの工業が外貨建て債務を有しているので、ドル急騰が裏目に出、レアル換算で債務過多になっている。
多くの輸出企業は、為替防衛のためレアル高で派生金融商品に手を出した。しかし、矢は的を大きく外れた。ドル通貨がドル安から、四〇%もドル高へ急旋回したのだ。