ニッケイ新聞 2008年12月20日付け
どうも衆院の解散と総選挙が近い。あの小泉元首相の「郵政選挙」は、政界の常識を破る破天荒だったし、先輩の森元首相が官邸に乗り込み「腐って臭いチーズ(と、森喜朗さんは語った)」でビールを飲みながら猛反対したのだが、投票箱の蓋を開けて見ると、歴史的な自民圧勝、民主党敗北。あれから3年と約6ヶ月が経つしいつ総選挙があってもおかしくはない▼安倍,福田両首相は短命で麻生内閣は選挙なしの3代目総理なのも、議員内閣制からすれば「おかしい」と批判されても致し方ない。しかも、世論調査だと、麻生太郎首相の人気は極めて低い。支持率は20%と少しで既に「危険水準」に陥っているし、民主党が一日も早い選挙をと叫ぶのもよくわかる。小沢一郎代表は、この選挙に政治生命を賭けており、列島を走り回っているのはご承知の通りである▼まあー今の政治情勢で選挙になれば、自民は苦戦し民主優勢の見方が強い。民主が衆院の過半数を獲得するとは断言できないにしても、議席数の差を縮めることはできる。現在でも、自民と公明の与党から17人が離党か造反すれば、衆院の議席数が3分の2を切り再議決ができなくなる。従って、民主党と野党は、どうしても総選挙で17議席のプラスが最大の戦略になる▼と言った事情もあり麻生首相も,解散に踏み切れない。長老の中曽根康弘氏は「5月か6月の選挙」と予想しているようだが、果たしてそこまで持つかどうか?である。自民にも「反麻生」がいるし、離党や造反も起こりうる。すべては麻生首相の胸三寸。やはり一月の通常国会がヤマ場と見たいのだがー。 (遯)