ニッケイ新聞 2008年12月18日付け
【共同通信】学校保健法が適用されず健康診断を実施していないケースの多い国内のブラジル人、ペルー人学校を対象に、文部科学省が二〇〇九年度、健診の実施状況など児童、生徒の健康管理態勢を把握するため実態調査に乗り出す方針であることが八日、分かった。
日本の小中高校では定期健診が義務付けられ公立校の場合は無料だが、ブラジル人、ペルー人学校には公的支援がなく、負担の大きいことが未実施の主因。これらの学校でのインフルエンザなどの集団感染はもちろんだが、周辺地域に住む日本人への影響も懸念されている。
文科省によると、ブラジル人、ペルー人学校は〇七年末で、北関東や東海地域を中心に全国に約九十校。学齢期の児童、生徒約七千三百人が通っている。
群馬大の〇六年の調査では、ブラジル人、ペルー人学校のうち調査に応じた五十校の約八割が健診未実施だった。
文科省は〇五年度以降、毎年ブラジル人、ペルー人学校の学校数や児童、生徒数などを調査し実態の把握に努めてきた。〇九年度は全国から数校を抽出し、健康診断の実施の有無や内容、風邪予防などの健康指導の実施状況を調べる。