自治体調査=33%の市にファヴェーラ=環境問題有りは90%以上=対策費や担当者のない所も
ニッケイ新聞 2008年12月16日付け
二〇〇八年前半の地理統計院による全国自治体調査によると、三三%の市にファヴェーラがあり、最近二年間に何らかの環境問題が生じた市は九〇・六%と十三日付伯字紙が報じた。
一八九七年のカヌードスの乱の後、リオ市に戻った兵がプロヴィデンシアの丘に住み着いて以来一一一年で、ファヴェーラは全国に広がってしまったことになる。
特に人口五〇万人以上の市では、クイアバ市以外の三六市にファヴェーラあり。但し、クイアバ市の場合も、実際にはある、と同市のファヴァーラ統一センター担当者の弁。もしそうなら、五〇万人規模の市では一〇〇%、一〇~五〇万人規模の市では八四・七%にファヴェーラがあることになる。人口五万人未満の市では二七・七%だ。
また、コルチッソと呼ばれるタイプの家は二五・一%の市にある他、五三・二%の市では、違法な土地の分譲が行われている。この違法な土地分譲は、住民の所得とは無関係に起きている。
また、火災や伐採、川底や湖底の土砂堆積が過半数の市で、水質汚染や水不足が四〇%以上の市で起きているが、二年間に何らかの環境問題が発生という市の内、一四・九%は、市民生活に直接の影響が懸念される状態。また、三五・七%の市で経済面に悪影響が出ているというが、これらの三分の二強は、担当部署や予算さえない状態。
その他の環境問題は、土壌汚染や大気汚染、保護地域の破壊、景観の変化などだが、十一月二十一日付エスタード紙によれば、落書きのある地区は暴力やゴミの放棄などの問題も多いという。
十三日付フォーリャ紙によれば、重度の環境問題を抱える市は北東部に多く(二四・一%)、地域別では、北部や中西部で火災が、中西部や南部では土砂堆積が目立つ。
土砂堆積の問題はリオ市やサンパウロ市共通だが、リオでは水質汚染がそれに続き、サンパウロ市では火災が続くなど、特徴に応じた対策が求められている。