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州道管理権供与=3社が失格見込み=金融危機で資金調達に躓く

ニッケイ新聞 2008年12月16日付け

 サンパウロ州運輸局は十四日、十月二十九日の州道管理権供与の入札で落札した五社のうち三社が、契約資金の融資が得られず要求事項の履行が困難となり失格の見込みとなったことを十五日付けエスタード紙が報じた。
 契約の見直し対象となっているのは、TriunfoParticipacoesとBRVias、Brasinfraの三社。アイルトン・セナとカルヴァーリョ・ピント、マレシャル・ロンドンのオエステとレステの九百七十四キロメートルを三社が落札。
 二社は融資取り付けが叶わず、一社は書類不備で資格を失った。州政府は同三社の管理許可料十五億二千万レアルの未納で予算計画が狂い、他の公共工事でも支障を来たし、入札の不手際が批判の的となった。
 セーラ州知事は資格の是非検討を運輸局に一任し、許可はく奪に関与しないこととした。管理許可料は落札時に二〇%を入金、十二月十五日に契約書手交。残八〇%は、十八回の分割払いだ。
 契約の際、道路整備の運転資金三十八億レアルを三十年払いで調達し、その九五%を八年間に投下することを約束する。そのため落札社は保証物件として長短期信用状を提出し、運輸局の正式な管理認可証を得る。
 Triunfoの場合は株式公開後の八月、発行株が九・三八レアルから〇・九六レアルに暴落し、市場における同社の評価が落ち、債務の割合が激増。それに銀行が貸し渋りをした。
 BRViasは、短期も長期信用状も取得できなかった。Brasinfraは、書類の作成に手落ちがあった。落札社が失格で落ちると、入札に敗れた他社が昇格する。しかし、そうなると運輸局は、却下した不都合な条件を呑まねばならないことになる。