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医師オヤカワさん射殺される=サンパウロ市=姪の大学卒業式の帰りに

ニッケイ新聞 2008年12月16日付け

 身内の幸せな卒業式が、一瞬にして悲劇に変わった。婦人科医のナジール・オヤカワさん(54)が十二日深夜十一時半ごろ、ヘルメットで顔を隠した三人組強盗に拳銃で撃たれて亡くなった。
 エスタード紙十四日付けなどによれば、サンパウロ市西部リオ・ペケーノ区の兄弟の家の前でオヤカワさんが停車していたところ、強盗に襲われ、家の中の兄弟らに知らせようと警笛を鳴らした。驚いた強盗は拳銃で撃って、徒歩で近くのファベーラに逃げ込んだ。腹部を撃たれたオヤカワさんは病院に運ばれたが亡くなった。
 オヤカワさんはペロラ・ビングトン病院に勤務し、レーザー部門の責任者で、ブラジル・レーザー学会の副会長もしていた。子宮頸癌の原因の一つといわれるヒト乳頭腫ウイルス研究では、ブラジルを代表する権威だった。
 大学の卒業式を終えた姪が荷物を置きに家に入った間に襲われた。その後、ピザ屋へ食事に行ってお祝いをするはずだった。その後、オヤカワさんの自宅に姪を連れて行って、楽しく週末を過ごす予定まであった。
 オヤカワさんは、翌十三日にサントアンドレー市ヴィラ・アスンソン墓地で多くの親戚や病院の同僚、友人に囲まれて埋葬された。埋められる前に全員から拍手を送られ、その様子がテレビのニュースでも放送されるなど大きな反響を呼んだ。