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国連事務総長=「ブラジルは責任の自覚を」=G20や環境、金融の要=眠り龍はいつ目覚める=負担金増額と国連軍派遣

ニッケイ新聞 2008年12月9日付け

 国連の潘基文(バン・キムン)事務総長は七日、ブラジルの活躍が国際舞台で大きく期待されていることで、もっと責任感の自覚を求めたと八日付けフォーリャ紙が報じた。同事務総長は金融危機を克服するために、ブラジルなど新興国の積極的な参加で多国間態勢による経済改革を行うよう提唱した。それがブラジルの要望する国連安保理常任理事国入りへのきっかけになると、同事務総長は述べた。
 オバマ米次期大統領が環境保全の旗頭なら、ブラジルは国連改革の旗頭になることを期待しているらしい。国連創設以来ともいわれる金融危機を前に、ブラジルの役目に関して国連事務総長が描く構想はこれだ。
 国連は現在、世界各国をまとめ危機克服に取り組む唯一の国際機関だ。各国は危機回避のため国内問題に没頭しているが、国際問題への一致協力による対処活動がないなら、金融危機はブラジルなど新興国にとって政治的安定や治安維持上の新たな重荷という。
 国連はさらに、食糧やエイズ、乳児の死亡、地球温暖化、教育など、どんな強大国といえども、一カ国では解決できない問題を抱えている。それには、国連を中心とする多数国の協力が必要だ。
 金融危機は、偶然に起きたのではない。大切なのは、先進国が危機の原因を突き止めて共同で改善すること。それが新興国にとっても重要なこと。既に世銀やIMF(国際通貨基金)で委員会を結成し、検討中だ。
 ルーラ大統領提唱のブレトン・ウッズ体制の改革や金融システムの監視と改善強化は、世界各国が共感するところだ。先ずは各国へ燃え移った火の粉を消し、これ以上広がらないことが先決。
 ブラジルが現在、国際的な異常気象や金融危機、G20の要であることに異論はない。ブラジルの国連安保理常任理事国入りによる国連改革を期待している。国連総会は九月、常任理事国が改革へ向けて合意した。
 同常任理事国は二月二十八日、具体的な改革法を決める。候補国のブラジルや日本、ドイツ、インドの他に、イタリアや亜国など四十カ国の意見も聞く。この常任理事国入りは、負担金の増額や国連軍派遣などが伴う。