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SPFC=ブラジル選手権で3連覇=6度目の優勝とともに初=初降格のヴァスコと明暗

ニッケイ新聞 2008年12月9日付け

 サンパウロ州のサッカーチーム、サンパウロFCが、七日の対ゴイアス戦を一対〇で制し、ブラジル選手権三連覇、六度目の優勝と、七日、八日のメディアが一斉に報じた。
 ブラジル選手権三連覇と同選手権六度目の優勝はともに、ブラジルサッカー史上初の快挙。相手方ホームでの試合にもかかわらず、スタジアムの九割はSPFCファン。金字塔が打ち立てられる瞬間を見ようと、遠路はるばる応援に出向いた大勢のファンも一様に、勝利の美酒に酔いしれた。
 しかし、華々しい結果とは裏腹に、〇六年、〇七年のブラジル選手権他、国内外で数多くのタイトルを制してきたSPFCにとって、〇八年のタイトル奪取は容易ではなかった。
 〇八年前半はサンパウロ州選手権で敗退後、リベルタドーレス杯でもベスト8まで行きながら上位進出を逃したSPFC。敗戦のショックでブラジル選手権でも精彩を欠き、一時はトップのグレミオと一一ポイントという大差もついていた。
 誰もが、ブラジル選手権三連覇危うしと考えたこの状況を変えたのは、オーナーのジュヴェナウ・ジュヴェンシオ氏や、ムリシイ・ラマーリョ監督であり、キャプテンのロジェリオ・セニ選手だった。
 監督の進退を問う声も出始める中、監督に賭け、資金面など側面支援のジュヴェンシオ氏。その信頼に応えるべく、問題を抱え、力を出しきれない選手と話し合うなど、チームへの信頼を示したムリシイ監督。今後を左右する試合だと、ケガで出場できない時も、自費でミナス州まで飛び、応援したセニ選手。
 チームとしての選手層の厚さもあるが、終盤一八試合を無敗で駆抜け、二一勝五敗一二分けで終えた集中力は抜群だ。
 インテルナシオナルが準優勝に輝いた〇五年、SPFC優勝の〇六、〇七年の三回連続で最優秀監督の栄冠に輝いたムリシイ監督や選手が、最も難しかったという〇八年ブラジル選手権優勝。
 最終戦では八百長の疑いで審判交替などもあったが、重圧を跳ね飛ばして勝利し、有終の美を飾ったSPFC。グレミオの逆転はならなかったが、SPFCを破りグレミオを優勝させると宣言していたゴイアスの選手の健闘を、SPFC選手が称える場面もあった。
 一方、セリエB(二部リーグ)降格が決まったのはフィゲイレンセ、ヴァスコ、ポルトゥゲーザ、イパチンガの四つ。一一〇年の歴史初の降格となったヴァスコは〇対二で負け、現役引退のエジムンドの花道を飾ることが出来なかった。