ニッケイ新聞 2008年12月5日付け
温暖化対策の遅れを批判されていた政府が、アマゾンの伐採削減計画を含む対策案をやっと提示と二日伯字紙が報道。
現在のアマゾンの伐採面積は年平均一万九千平方キロだが、政府案の一七年目標は年五千平方キロ。〇六~〇九年の伐採面積を九六~〇五年の六〇%、その後は四年毎に直前の四年の伐採面積の七〇%までと規制する。
この計画でいくと、〇六~〇九年の伐採許容面積は四万六千八百平方キロ。〇八年までに三万七千六百平方キロ伐採しており、〇九年伐採許容面積は九千二百平方キロ。一万平方キロ以上の伐採が二〇年も続いた後の数値としては楽ではない。
しかし、森林伐採により自然形態が壊れれば、アマゾン絶滅や地球規模の環境破壊が起きることも周知の事実。十一月二十一日フォーリャ紙によれば、マナウスでの学会で、アマゾンの三〇%が破壊されればアマゾンは消滅との説を確認。特に東部の破壊が進めば、水の流れが変わり、アマゾンは砂漠化するという。
一方、温暖化ガス排出量の七五%はアマゾンの森林伐採や焼失によるというブラジルでは、アマゾンの森林保護が温暖化対策のカギを握る。計画書では、アマゾンの伐採削減だけで四八億トンの二酸化炭素ガス削減という。
政府案に対し、環境学者らは、セラード対策などが欠けていると批判。ポーランドでの国連環境会議開催日にあわせた温暖化対策案提示は、国際社会への支援要請目的との声もあるが、政府は国際的な支援無しでの対策遂行は不可能という。
対策項目にはバイオ燃料利用促進、植林推進、管理体制強化などもあり、目標達成のため、伐採量の多い自治体の長を集めた会議も実施。四日エスタード紙によれば、計画遂行には州や民間団体の協力も必要で、土地管理にはアマゾン農地管理庁を新設。軍による管理も拡大するという。