ニッケイ新聞 2008年12月2日付け
人口僅か四千人のマット・グロッソ州サンタリッタ・ド・トリベラット市は、大豆栽培で経済成長率一〇%を遂げ、ブラジル一の繁栄都市としてブラジル地図に登場と十一月三十日付けフォーリャ紙が報じた。
同市はブラジルで中国並みの経済成長率を達成し、それをも凌駕する意気込みだ。地域別の所得格差は、市や州の活力を反映する。中国並みの成長率が見込まれるのは四十一市、そのうち三十六市は、セラード地帯とアマゾナス州の穀倉地帯に集中している。他は、原油の採掘地域だ。
反対に経済が最も後退した地域は、サンパウロ州の工業都市とされるサンジョゼ・ドス・カンポス市。同市は七〇から八〇年代、著しい発展振りを見せたが今は活力を失い、中国並みとは程遠い。
ブラジル経済の活力は、海岸線から内陸部の農畜産業へ移ったようだ。海岸地方で長年栄えた工業都市は、所得格差で内陸部へ王座を譲りつつある。