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IBGE調査=人口は38年がピーク=その後は高齢化社会へ

ニッケイ新聞 2008年11月29日付け

 ブラジル地理統計院(IBGE)は二十七日、ブラジルの人口が二〇三八年の二億千九百万人をピークに減少と予測したことを二十八日付けエスタード紙が報じた。国連調査は、二〇五〇年に二億六千万人としていた。
 ブラジルは二〇一五年、二億人を突破する。IBGEは受胎率の低下を考慮し、二〇五〇年を二億千五百二十万人と見ている。女性の出産率は現在、一・八六人。それが二〇二八年から一・五〇人へ下がる。
 出産率の減少は、女性の社会進出に原因があるらしい。育児は大変だが、家庭に喜びと生気をもたらす。明日を背負う子供の減少は、国力の衰退といえそうだ。
 人口構成をピラミッドに例えるなら、ブラジルも先進国型を追随している。二十歳から二十四歳の青年死亡率が、同年代女子青年の四倍も高いのは心配だ。原因は交通事故と都市犯罪、治安不備のためらしい。
 この傾向がそのまま続くと二〇五〇年、女性百人に対し男性九十三人となる。男性はいつか、絶滅種になりそうだ。
 ブラジルの高齢化は二〇五〇年、若者百人に対し五十五歳以上の老人百七十三人と倍近くになるという。老人の数が若者を超えるのは、二〇三五年からだ。ブラジルは、経済稼動人口が先細りになる。
 ブラジル人の家庭は、老人と子供という姿が定着する。男女共に平均年齢が伸びたことで医療行政は、予防医学や医療知識の指導など医療システムと社会保障制度の改革を急ぐ必要がある。
 IBGE調査は、ブラジル社会の経済稼動人口増加が最終局面にあることを警告している。現在労働市場へ送り出している三千四百万人の若い労働者に高等教育を授け、高い水準の人的資源に育てる必要がある。

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