ニッケイ新聞 2008年11月27日付け
サンパウロ州市警と検察局は二十五日、PCC(首都第一コマンド)がコカインの〃購買販売組合〃を設立準備中と発表したことを二十六日付けエスタード紙が報じた。
組合はリオやミナス・ジェライス州を始め十七州の麻薬業者が、割安価格でコロンビアやボリビアの直送コカインを購入できるものであった。
市警は三カ所で捜索活動を実施し、組織の関係者四十三人を拘束。二八人はソロカバ、八人がサンベルナルド・ド・カンポ、七人がサントス。
「麻薬ビジネスのグローバル化計画」は、ジアデーマ警察署とサントス警察の組織犯罪課で突き止めた。両署は組織のメンバーであるチャックを盗聴していた。
サントス市だけで一味は、百五十万レアルの麻薬を取引した。またグアルジャやクバトン、プライア・グランデ、シダーデ・バイシャーダなどにマネージャーを置き、ヴェンセスラウ刑務所に服役中のボス二人をトップとしていた。
刑務所のボスを中心に十四州のボス電話会議が行われたのを、盗聴から傍受した。議題は、多州間組合の設立によるコカインのメルコスル価格を設定するもの。
組合はコロンビアやボリビアからコカインを大量購入し、精製と包装、ブラジル全土の物流、配達、集金、末端組織の統轄を受け持つ。
コカイン精製用の副原料、塩酸やエーテル、アセトンの調達と調合を大学化学科の学生が受け持ち、刑務所内の薬物配達は女性が行っていた。
二十八人も大挙拘束されたソロカバ地区では、ヴォトランチンやピエダーデ、イビウーナ、ボイツーバ、イペロー、ブリーなどでPCCの管理部門を担当する男性十三人、女性十二人を拘束した。他に三人が現行犯で逮捕された。