ニッケイ新聞 2008年11月25日付け
様々な角度から日本語能力が問われる全伯スピーチコンテスト。発表後に内容に即した質問を審査員が投げかけ、日本語理解力、会話力を問う。どの参加者も震えんばかりに緊張する最後の難関だ。ところが、ある審査員はすでにスピーチで述べたことについて質問、「そうですか」と納得顔。また一体何が聞きたいのか、質問の日本語に首をひねってしまうものも―審査員の日本語能力にも疑問符!?
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本紙の提携紙である沖縄タイムスに興味深い寄稿が載っていた。ブラジル沖縄移民百周年祭に参加した大学生なのだが、踊りなどの文化継承には、ウチナーグチ(沖縄方言)が重要、と位置付けつつ、若い県民が南米に行き、「二世、三世と交流していくべき」と訴える。「ウチナーンチュのネットワークは、私たちの宝であり平和への協力体制」と結ぶ筆者はアメリカ在住。まさに世界を繋ぐような母県への思いに感慨を深くさせられた。
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三重県の鈴鹿市市立図書館にブラジル大使館から、ポルトガル語の書籍五十八冊が寄贈された。中日新聞が報じた。同市に住民登録しているブラジル人は県内最多。ただ、関係者によれば、「図書館を利用することはほぼない」という。ブラジルでも日本人が訪れない施設に本の寄贈が行われることがあるが、本は読まれてこそ意味がある。死蔵しないことを祈るが、役人の考えることは全く…。