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オルト・フルト祭り=県連初挑戦はいまひとつ=11万人来場も、食のびず=日本芸能、野菜販売は好評=山田コーディネーター「来年はやらない」

ニッケイ新聞 2008年11月19日付け

 ブラジル日本都道府県人会連合会(与儀昭雄会長)とサンパウロ州政府共催の「オルト・フルト・フェスタ」が、十四日から十六日までの三日間サンパウロ市内にあるパルケ・アグア・ブランカで開催された。土曜日と日曜日の二日間で約十一万人(主催者発表)が来場し、賑わいを見せたが、各県人会の食ブースでは予想に反して売上げが伸びなかった。山田康夫同フェスタコーディネーター(県連副会長)は「多くの人が来たが、あまり食事を買わなかった。来年はやらない」と残念そうに話した。
 県連の百周年事業、百周年を締めくくるイベントとして計画された同フェスタ。サンパウロ州の人々に野菜を食べてもらおうとの考えから、州と県連が共催で開催された。
 当初の予算は二十万レアルだったが、スポンサーが付かなかったことから、半額の十万レアルに減少し、会場も予定より小さくなった。
 十五日午後二時から行なわれた開会式で加藤恵久実行委員長(副会長)は、同フェスタの説明をした後に「今日は天気も手伝って良いイベントになるでしょう」と話し、与儀会長は「今年の百周年は様々なイベントが開催されたが、最後を締めくくるイベントとして行われる。日本移民が農業に貢献したことを感じてもらい、今日と明日は日本文化を堪能してください」と話した。
 その他、マウリシオ・タチバナ蔬菜協議会会長、インスチトゥート・パウロ・コバヤシの小林ヴィトル代表、ジョゼ・アントニオ・テイシェイラ同公園長、飯星ワルテル連邦下議補佐のヤスダ・ミノル氏、羽藤ジョージサンパウロ市議、ウイリアン・ウー連邦下議などが祝辞を寄せた。
 最後には関係者一同で鏡割りが行われ、同祭の成功を祝った。
 土、日曜の両日、舞台は、マウリシオ・ミヤ歌手の歌謡ショーやカラオケ、バンド、鳥取傘踊り、太鼓などで盛大に行われた。また、展示即売会では様々な野菜が販売され、野菜を食べて楽しむ人たちの姿も見られた。
 鳥取県人会はおなじみの天ぷらに加えて、ドライフルーツやアラビアのパンで巻いたカレーを販売した。「天気は良いけど売れないだろうね。宣伝不足だろうし、ここには健康のために来ている人たちだから、ほとんど買わないでしょう」と関係者は残念そうに話す。
 日本祭では常に行列ができる和歌山県人会のお好み焼きも今回は不調だった。木原好規会長は「売れるだろうと思って二千食分用意したけど全くだめ。金曜日なんか僅か四十食だった」と肩を落としていた。
 栃木県人会は寿司と餃子を販売。餃子は日本祭と比べて約八分一の六百個を用意。坂本アウグスト会長は「儲かっても、儲からなくても県連に誘われたから参加した。このようなフェスタに参加することで、青年部、婦人部などみんなが参加して、関係を密にできる」と満足した様子。
 途中で手伝いの人たちを帰したという滋賀県人会は、「人は多かったけど全く売れなかった。客層が違う」とがっかりした表情だった。
 山田コーディネーターは、同フェスタ自体に関して「今回は挑戦としては良かった。天気もよく条件は最高だったけど、人が来ても売れないのだから県人会も来年は出店しないでしょう。将来性がないから、来年からはやらない」と語った。