ニッケイ新聞 2008年11月12日付け
コロニア文芸賞の選考委員会賞『開拓』を執筆した林良雄さん(茨城県、グァタパラ在住)は、養鶏業の傍ら、地道に資料収集を行い、モジアナ線の日本移民を調査した『我がグァタパラ耕地』の前作もある。「雑草のように生きた人の歴史を残したい気持ち」が執筆意欲の源流だ。授賞式では、「十一歳で移住した私の日本語が認められたことになるのかな。とても嬉しい」と笑顔。
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ポルトガル語では流暢に人の心を打つスピーチを行う上原幸啓文協会長だが、日本語となると、誰かの書いた原稿を棒読み、味気ないことこの上ない。コロニア文芸賞授賞式でも同様。しかし、表彰状は練習しなかったのか、読む途中で詰まり、「これどう読むんですか」と受賞者の鈴木正威さんに尋ね、失笑を買う場面も。十分日本語がお上手なんですから、ご自身の言葉で話されてはいかが?
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今月十五日に父兄を交えた最初の日本語教室の集まりをもつサントス日本人会。遠藤会長によれば現在、非日系を含み十五人ほどの希望者があるという。強制立ち退きを経験したサントス・沿岸地域で戦中に育った二世の人たちの中には、日本語を話さない人もある。文化祭の日、そういう人たちが日語教育の再開を喜んでいるのが印象的だった。日本語学校としては〃新参者〃のサントス日語校。ノウハウを積み重ねた日系社会にできることはないだろうか。
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パラグアイのイグアス移住地にある太鼓工房(澤崎琢磨代表)が、太鼓以外にも、もちつき用の臼と杵を製作・販売している。ホームページによると、材料はイグアス太鼓と同じ。パラグアイ原産で木目が細かく硬い材質のカナフィート製、杵の柄はラパーチョの木を使っているとのこと。臼のみ百五十ドル、杵付きのセットは二百ドル。歳末のもちつきを検討している団体におすすめかも。電話は(595―6322―0267)