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ロライマ州ボア・ヴィスタ=ブラジル最北の日本文化週間=4千人がニッポン楽しむ=今年発足のANIR主催

ニッケイ新聞 2008年11月8日付け

 ベネズエラと国境を接するブラジル最北のロライマ州で初めてとなる『日本文化週間』が州都ボア・ヴィスタ市内の文化施設「アントニオ・フェレイラ・デ・ソウザ」で二十六日から今月一日まで開催され、約四千人(主催者発表)が来場、日本文化に親しんだ。今年六月に発足したロライマ日伯協会(ANIR、辻クラリッセ会長)、ロライマ市、在マナウス日本国総領事館の共催。辻会長はニッケイ新聞の電話取材に答え、「大成功。珍しいこともあり、注目をかなり集めた」と喜び、来年のアマゾン日本人入植八十周年を記念した第二回の開催を明らかにした。
 ロライマ州(一九八八年にリオブランコ直轄州から独立)への日本人移住は、一九五五、六一年の二回に分かれて入植した二十家族から始まった。
 そのうち、十八家族がボア・ヴィスタ市から九十キロ離れたタイアーノ移住地に入植したが、あまりに過酷な環境のため、七一年までには全家族が脱耕している。
 現在、同州在住の日系人口は約百家族。他州からの移住者が多く、雑貨商や農業など様々な分野で活躍している。
 同州最初の日系団体となるANIRは今年六月に発足、現地日本人をまとめていた辻一夫さん(今年五月に死去)の遺志を受け継ぎ、娘のクラリッセさんが初代会長に就任した。
 ANIR最初のイベントとして企画・開催された『日本文化週間』は、ブラジル日本移民百周年を記念。マナウス総領事館協力による着物、日本人形などが展示され、折り紙のワークショップも人気を集めた。
 先月二十五日にあったオープニングには、現地日系社会、市、総領事館関係者、卓球のオリンピックブラジル代表の小山ウーゴ選手も出席、日伯両国歌の演奏の後、郵政省によるロライマ州記年スタンプのランサメントもあった。
 佃千鶴子さん(五五年入植)、土居モヨさん(六一年入植)らも出席、同州の発展に寄与したとして顕彰された。
 会場では、日本食のバンカも大好評、盆踊りなども人気を集めた。同州に移住した家族から提供を受けた写真を展示、合気道、剣道、柔道のデモンストレーションも関心を呼んだ。