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コラム オーリャ!

ニッケイ新聞 2008年11月7日付け

 「当時、全学連など学生が日本のことばかり考えていたとき、我々は海外のことを考えていた」
 学移連創立五十周年祝賀会でのあいさつの一コマだ。群れることを嫌い、一匹狼タイプが多いのだろうか、学移連OB会もブラジル内で活躍する出身者の数を把握していないようだ。
 ともあれ、かつて海外雄飛の志を共にした仲間が集まった。日本に残った人は悔しい思いもしたのだというが、南米に夢を賭けた青春は実りある人生に繋がったはずだ。
 一ドル三百六十円、今のように情報もなかった当時、外国は無限の可能性を夢見させるだけの存在だった。
 今。母国の将来や海外にもロマンを抱けない若者は何に夢を見るのか。
 昭和の学生のバンカラな気骨を漂わせる参加者らを見ながら、「羨ましい気がする」と語った平成生まれの大学生の言葉が耳に残った。  (剛)