大統領選キャンペーンにおけるジウマ大統領(労働者党・PT)とアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)のマリーナ・シウヴァ氏(ブラジル社会党・PSB)への攻撃が強まり、マリーナ氏が苦戦している。11日付伯字紙が報じている。
エドゥアルド・カンポス氏の急死に伴い、8月20日に大統領選出馬を正式発表した直後、マリーナ氏の支持率はジウマ氏の支持率に急接近し、決選投票ではジウマ氏に勝利するとの予想まで出ていた。
だが、9月に入ってからはマリーナ氏の伸びに陰りが見られている。10日夜発表されたダッタフォーリャの大統領選調査では、マリーナ氏の支持率が34%から33%に下がり(ジウマ氏は35%から36%に上昇)、拒絶率が15%から18%に上がった。この数字は、10年大統領選での第一次投票直前と同レベルだ。
マリーナ氏の伸び率停滞には、ジウマ氏、アエシオ氏両陣営からの政見放送やキャンペーン中の発言でのマリーナ氏批判や放送時間の少なさが影響しているようだ。
実際にPTはジウマ氏の政見放送で、マリーナ氏をジャニオ・クアドロス氏やフェルナンド・コーロル氏といった任期を4年つとめられなかった元大統領と比較したりして攻撃してきた。
PTはマリーナ氏への次なる攻撃の標的に、同氏の選挙コーディネイターの一人であるネカ・セトゥバル氏を選んだ。ネカ氏はイタウ銀行経営一家の一人で、かねてからマリーナ氏と親しい。2013年にはマリーナ氏の新党「持続ネットワーク(RS)」設立のため、100万レアルの献金を行なっている。
PTはその事実を突いて、「マリーナ氏には銀行家が後ろ盾についている」「マリーナ氏は中央銀行の独立性を主張しているが、それはイタウ銀行の関係者に提案されたからだろう」との主張を政見放送の中に今後織り交ぜていくという。
実際にはネカ氏の本職は教育家で、イタウ・グループの持ち株も全体の1・3%分に過ぎない。また同氏は2012年のサンパウロ市市長選の際にはPTのフェルナンド・ハダジ氏の支援をしている。
一方、アエシオ氏によるマリーナ氏攻撃もトーンが強まっている。同氏は3日、マリーナ氏の政策要綱は2002年5月に当時のカルドーゾ大統領が発表した全国人権要綱の盗作であるとしたときから批判の色合いを強めていたが、10日はグローボ紙の取材に対し、「PSDBの大統領選での方針は、勝って与党になるか、負けて野党になるかの二つに一つだ」と語った。
これはマリーナ氏が大統領となっても、PSDBがPSB側につかないことを意味している。PSBの支持政党は小政党ばかりで議会内での勢力の弱さが否めず、そのためPSDBの協力が必要であると見られていた。また、マリーナ氏が決選投票で勝つためにも、アエシオ氏の支持の有無は重要な鍵を握っている。
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