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年金基金国営化=亜通貨がウ国へ逃亡=金融危機が銀行取付けへ

ニッケイ新聞 2008年10月30日付け

 キルチネル亜大統領は二十八日、ブラジルの株式に投資されていた民間年金基金(AFJPs)六億ドルの引き揚げを決定。同基金は、二十九日~三十一日にかけ、三回に分けて引き出される。
 亜政府は最近、民間の年金基金(AFJPs)系全二十五社の株三百億ドルを国営化し、社会保障院へ組み込む計画を発表したばかり。同年金基金系会社が国営化手続き完了前にブラジル内の株を清算することを恐れた引き揚げ決定と見られている。
 年金基金国営化は、亜政府が金融危機で国債の配当金捻出に窮したためと見られており、凍結を恐れた亜国民は、銀行預金を引き出し、国外へ移している。
 預金引き出しで亜国を出て行った亜通貨は、第3四半期だけで、貿易黒字の五十四億ドルを上回る五十八億ドルという。預け入れ先は、ラプラタ川を一時間で越えられるウルグアイのコロニアや、三時間のモンテヴィデオにある銀行だ。