ニッケイ新聞 2008年10月29日付け
「二〇一〇年の大統領選挙は、思ったより遠い」とセーラサンパウロ州知事は述べ、連立や根回しに注目が集中していることを牽制と二十八日付けエスタード紙が報じた。PSDB(社会民主党)がPMDB(民主運動党)と接触したのは事実だが、ことは思っているほど単純ではないと警告した。
PMDBが予想外の支持を得て大きく躍進したことは、選挙民の心がその方向へ動いている流れを示し、与野党ともに連立へ向けて食指を動かしているようだ。
これまでのPMDBとは違い、政治力と融通性で成長したことをサンパウロ州知事は認めた。南リオ・グランデ州のフォガサ知事はPPS(社会人民党)であったが、PMDBへ移籍したことで当選した。リオ州のパエス知事もPSDBからPMDBへ移籍し、当選を決めた。
彼らは前党で党の重要な立場にありながら、志を遂げるためPMDBへの移籍を選んだようだ。PMDBは、本人の実力を発揮できる所と見たらしい。セーラ知事はこの考え方に、少し抵抗があるようだ。
同知事は二〇〇二年、大統領選に立候補したときPMDBの支持を要請した。同知事は、PMDBと政治以上に親しい個人的知己がある。だから第三者が大統領選を視野に、連立交渉について打診するのを嫌う。
金融危機は二〇一〇年までに、色々な異変を起すと同知事が警告する。それを大統領選へどう織り込むか。難問がブラジルの上に降りかかる。政治的未熟さを問われる時がくる。大統領選はPMDB取り込みという単純なことではないというのが同知事の意見だ。
今回の地方選を観察すると、有権者が自分の考える処に従い、雪崩現象や寄らば大樹の陰現象はなかったと同知事は見ている。これは国民が政治的に成長した証拠という。