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682万ドルの大損失?=善意の献血を杜撰な管理=血液製剤会社引取り拒否

ニッケイ新聞 2008年10月25日付け

 サンパウロ市とベロ・オリゾンテ市の血液センターでの保存状態が悪いため、フランスの血液製剤製造会社LFBが、六八二万ドル相当分の血液製剤製造のための血漿引取りを拒否したと、二十四日エスタード紙が報じた。
 引取りを拒否されたのは、二六万袋分の血漿で、全国一四の血液センターの監査を行なっていたLFB社によると、問題となったセンターでは、血液から分離した後の血漿保存時に、規定数以上を箱に詰め込んだため適正温度で冷却されていなかった他、ほこりやカビなど、衛生管理上の問題もあったという。
 ブラジル保健省とLFB社とは、五〇〇〇万レアルで、ブラジルから送られた血液をLFB社が血液製剤に加工し、ブラジルが買い受けるという契約を結んでいる。ところが、今回の監査で、グロブリンとアルブミンと呼ばれるたんぱく質の血漿分画製剤製造用の血漿引取りが拒否されたことで、二つのセンターに保存されていた、血液製剤で六八二万ドル分の血漿が無駄になってしまったのだ。
 LFB社の引取り拒否に対し、保健省担当者は、「LFB社が厳格すぎる」とし、抗体グロブリンの製造はまだ可能なはずというが、同社が血液センターの問題点を指摘した七月以降も、改善命令などの指導や監査を行なってこなかった保健省の責任には言及していない。
 高価な血液製剤を輸入に頼るブラジルでは、適正価格で安定した血液製剤確保は必至で、LFB社との契約により、二〇〇八年は同契約で血液製剤輸入経費を六二%節約と踏んでいた保健省。二つの血液センター分の血漿引取り拒否で、節約額は少なくなる。
 とりあえず国内で使用される血液製剤の在庫は六カ月分あるというが、今回損失分の血液製剤は国内消費の一週間に相当するともいう。
 今回の件は会計監査院(TCU)も捜査するというが、血液不足だと大騒ぎして献血キャンペーンまで行なった後、杜撰な管理のせいで大量の血液成分を無駄にし、国庫にも損失を与えた責任は誰が負い、血液製剤を待つ医療の現場や患者の不安は誰が拭うのか。「LFB社が厳格すぎる」と文句をつけ、血液センターは情報管理と血漿の保管も含めた民間委託管理で、政府には直接責任なしとの保健省担当者の姿勢も、「ブラジルさ」で済まされない問題だ。

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