ニッケイ新聞 2008年10月22日付け
仏政府は二十日、エタノール生産への補助金を二〇一二年目標で段階的に廃止し、ブラジル産エタノールに市場を開放する意向と二十一日付けエスタード紙が報じた。
農産物の補助金廃止で最も抵抗した仏政府が、EUで廃止に踏み切った第一号となり、EU市場の歪み是正に貢献すると期待される。農産物補助金百三十億ドルが食糧問題に悪影響を及ぼすと、国連の食糧農業機関(FAO)が警告していた。
エタノール補助金廃止案は、仏議会の審議待ちとなっている。現在の補助金リットル当たり二十七セントは〇九年、十七セントへ減額される。二〇〇三年は、五十セントであった。
仏エタノール生産者には、補助金が二十一セントを切ると採算が採れないという。補助金廃止で、二万五千人が失職し、生産者はこれまでに投資した十億ドルが、無駄になると嘆いている。